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□新潮新書(更新:月2回)
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「新潮新書」メールマガジン[190号]
【1】今月の編集長便り 3月…革命余話
【2】編集部便り その96…保育園で目にした新潮新書
【3】近刊情報 3月…3月刊・4点は3月17日発売!
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【1】今月の編集長便り 3月/革命余話
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チュニジア、エジプト、そしてリビアへと革命が広がっています。この動きに
ついてはツイッターやフェイスブックの影響がもっぱら語られていますが、エジ
プト通で知られる小池百合子代議士がテレビ番組(BSフジ「プライムニュース」)
で興味深い指摘をしていました。大意を紹介すると、「ネットの影響ばかりが取
りざたされるが、それ以上に現地で影響力のあるメディアは今も昔も『口コミ』
です」というもの。
私自身がツイッターもフェイスブックもやっていないからか、何だか感覚的に
とてもわかる話のような気がしました。
そのチュニジアで革命が起こったときに、個人的に心配したのは、現地の日本
大使館のことでした。というのも、現在の日本大使である多賀敏行さんが、新潮
新書『「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった』(2004年刊)の著者で以
前からの知り合いだったのです。一時期は大使館にも銃声が聞えるような緊迫し
た状況があったようですが、幸いご無事でした。
この『「エコノミック・アニマル」〜』は、今読んでも発見に満ちた面白い本
です。表題の「エコノミック・アニマル」に関していうと、日本ではもっぱら
「金のために猛烈に働く生き物」というようなネガティブなイメージが強いけれ
ども、実は日本人についてこう評したパキスタンのブット外相(当時)にはそん
なつもりはなく、「経済に長けた人たち」という意味で発言しており、むしろ褒
め言葉だった、というのです。日本の住居の狭さを揶揄した言葉と思われがちな
「ウサギ小屋」も、実は本当の意味は違うということを、私はこの本で初めて知
りました。
言葉に関心のある方にはぜひ読んでいただきたい本なのですが、その意味では
3月の新刊『日本語教室』(井上ひさし・著)も、まさにそういう一冊です。昨
年4月に亡くなった井上さんが生前、母校・上智大学で行った連続講義を再現し
たもので、日本語について「おもしろくてふかい」話が、実にやわらかく語られ
ています。そうだったの? おおそうなのか! ああそういうことか!! と感嘆
しながら読み進むうちに、日本語への愛情がどんどん深まる内容です。日本語を
使うすべての人に読んでいただきたいと思います。
他の新刊3点もご紹介します。
『サービスの達人たち 日本一の秘書』(野地秩嘉・著)は、様々な分野で、他
の人とは一味も二味も違うサービスを提供している人たちについてのノンフィク
ション。表題作に登場するような秘書を欲しいと思わないビジネスマンはいない
はずです。感動しつつ、ビジネスのヒントもたくさん得ることができます。
『改築上手—「心地いい家」のヒント52—』(平尾俊郎+大和ハウス工業総合技
術研究所・著)は、住宅のプロたちに教わるリフォームや新築のコツを集めたも
の。ちょっとした知識があるとないとで大違い、ということがよくわかります。
『プロ野球解説者の嘘』(小野俊哉・著)は、データをもとにした野球学。とい
っても難しいことは一切ありません。2008年の横浜ベイスターズは首位打者と本
塁打王を擁しながら最下位になったのはなぜか? そう問われたときに、ちょっ
と野球を知っている人ならば「投手力が弱かったんだろ」と答えることでしょう。
きっとそんな解説を聞いたことがある人もいるはずです。しかし、その俗説は間
違いで、実は別の要因があるのだ、ということを著者はデータを駆使して証明し
てみせます。その手つきはまるで名探偵のよう。これから始まる野球を見るのが
100倍面白くなるのではないでしょうか。
新刊4冊(および大変な目に遭われた多賀さんの既刊)、いずれも、ツイッ
ターでも口コミでも、読後「面白かった」と伝えたくなる内容になっていると思
います。革命的売れ行きになればいいなあと夢想しております。
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【2】編集部便り その96/保育園で目にした新潮新書
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昨年12月に申し込んで以来、現在0歳の次男が4月から通うことになる保育園が
どこになるかを気にやんでいたのですが、2月末にようやく決まりました。
近所には、教育やしつけに重点を置いた社会福祉法人経営の保育園や、幼保一
体型で独自の運営を模索している「こども園」もあるのですが、私自身は、長男
も通っているこの区立の保育園が気に入っています。施設自体は古く、いかにも
「公的施設」な外観と内装なのですが、どこかしらのんびりした雰囲気があって、
そこがむしろ安心できるのです。職員の方たちも、過度に教育的でなく、かとい
って弛緩しすぎてもいず、適切な距離感を持って子供たちに接しているのが分か
ります。
保育園に限りませんが、人と接する現場で仕事をしている方を目にして、「プ
ロだなあ」と感じることがままあります。制度の矛盾や問題は、現場に直接現れ
る。どんなに理想論を掲げたところで、現在進行形の問題は待ってくれません。
「幼保一体化が進まないのは厚労省と文科省の綱引きがあるから」とか、「民間
の力を活用して待機児童の解消を」といった主張はもっともですが、そう言って
いる間にも子供は育つので、とりあえずは手持ちの施設と能力で凌いでいくしか
ありません。
具体的な問題を引き受けて、使える範囲の材料でそれを解決し続けていると、
人は否応なく成長していくように思います。編集という仕事を日々こなしている
と、頭でっかちになっていることを自覚することがしばしばあるのですが、子育
ての場では思考と身体が「生活」に強制的に引き戻されます。それが、意図せず
して生活と仕事のバランスにつながっているのかも知れません。
保育園にある「親用図書コーナー」には、新潮新書もときどき置いてあります。
職員さんが選んだのか、区の図書館から回送されてくるのかは分かりませんが、
「誰かが選んだ」ことは間違いない。出版社にとって深刻な「図書館問題」をと
りあえず脇に置いて言えば、人を成長させるための空間に自分たちの作った本が
置かれているのを見ると、やはり嬉しく感じます。
ちなみに私がそこで目にした新潮新書は、『人は見た目が9割』『国家の品格』
『不動心』の3冊でした。
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【3】近刊情報 3月 3月刊・4点は3月17日発売!
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・『日本語教室』井上ひさし
・『サービスの達人たち 日本一の秘書』野地秩嘉
・『プロ野球解説者の嘘』小野俊哉
・『改築上手—「心地いい家」のヒント52—』平尾俊郎+大和ハウス工業総合技
術研究所
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>>次回のメールマガジンの発行は3月25日です。
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